高専〜高等専門学校のお話〜
どうも、ひうごです。
それは不思議な学校。
普通なら高校生になるであろう年齢から高度な専門的教育を受け、企業の即戦力と成る人材を育てる、そんな教育機関。
僕はその高専で、現在4年生として在学しています。
今回は僕が知っている高専という機関について、お話します。
進路のひとつとして高専を視野に入れている人、高専を知らないよっていう人や、来年度入学が決まった人の参考になればなぁと思います。
目次
高専
高専
高専は基本的に工業系です。なんと5年制で、大学で言ったら大学二年生の歳まで在学することになります。
高専の卒業、中退者の著名人にはポケモンの生みの親である田尻 智さんや、俳優の北村一輝さん、セクシー女優の紗倉まなさん、そしてゲーム実況などで活躍されているライバロリさんなど、個性のある人が多いです。
基本的に高専は就職に強いです。企業側から高専生を募集している枠があるので、5年生にまでなれば就職先に困ることはないと思います。
1年生、2年生では主に高校3年分の理数系科目をやります。
数字に強い人はすんなりパスしてしまうでしょう。
こういう電卓なのですが、例えばxのy乗などが電卓を叩くだけで出てきます。
他にもsin,cos,tanなど所謂三角関数の計算もこれがあればすんなりと計算できます。
工業系の高校や、大学に通う人なら持っているのではないでしょうか?
正直使い方を覚えてしまえば、数学の苦手な子でも3年生までは計算はあまり苦痛ではありません。僕も数学が出来ないのに理系高専生になってしまいましたが、何とかなってました。
現在高専は進級後に専門科目を選択する際、2パターンあるみたいです。
ひとつは入学時からすでに専門科目の学科が決まっているタイプ。
もうひとつは入学時は皆同じ学科で、2年生から学科を選択して別れるタイプ。
ちなみに僕は前者で、機械工学科です。
そして高専、進級と来れば名物なのが......
留年です
進級に足りる単位数を取得していなければ、原級留置。
すなわちもう一度同じ学年を繰り返すことになります。
そんなの勉強してない奴が悪いだろ、と思う人もいるかもしれません。
確かに単に勉強不足で留年する人も中にはいますが、単純に向いてない人もいます。
専門科目が入ってくれば数字を使わない教科が無いに等しいので、数字が苦手な人はたいへん苦しい思いをすると思います。
というのも、この高専における赤点は60点なんです。
60点以下の科目の単位数が規定を超えてしまうと、留年です。慈悲はない。
一学科につき約30%はストレートに卒業出来ないそうです。
ちなみに僕も足踏みしそうです。
高専生の特徴
高専は、その学校としての特色もさることながら、通う学生も異彩を放つ人ばかりです。
わかりやすく言えばオタクが多いです。
めちゃくちゃオタクが多いです。
これは僕の偏見なんですが、いじめられっ子とかクラスであんまりぱっとしない子が高専に来ると破茶滅茶に花開く場合が多いように感じました。
基本的にみんな本気でやってる事に対して馬鹿にしたりする子が少ないので、好きなことを伸び伸びとやれるのではないかなと思います。
で、これがすごく面白い所なんですが、オタクもめちゃめちゃ多いのですが、パリピの人たちも物凄く多いです。
ですから、オタクとパリピが半々で生活していると考えてもらえばわかりやすいと思います。
大抵、お互いがお互いのことを良く思ってない場合が多いのですが、棲み分けが出来ており過度に干渉しないので生活するには不便はないと思います。
寮生活
僕が通っている高専はだいたい半分が寮生で、半分が通学生です。
寮生活なんですが、正直各高専によって違いがありすぎて一概には言えません。
中には朝起きて点呼の時に一発ギャグをさせられる寮もあるとか......
僕の寮では、1年生は誰彼構わず爆音で挨拶を行わなければなりませんでした。
めっっっちゃ大変です。
同級生は1人声帯が閉じなくなって病院へ行ってました。
あと指導という名目で2年先輩の指導寮生に体育館にあつめられ、難癖レベルの理由で怒鳴られる集会も行われます。
ぶっちゃけ僕はこの制度、めちゃくちゃ意味無いと思っています。
ですが、指導寮生も寮の仕事の一環であり、やりたくて怒鳴ってるわけではない人もいることを忘れずに。
この制度には反対ですが、その時の指導内容を今になっても笑い合える友達が出来たのは事実なので完全悪とも言い難いです。
2年からはなんの縛りもないので、なにやっても怒られず自由に寮生活が送れます。
すっっっっっごく楽しいです。
趣味の合う友人と同じ部屋でずっと趣味をするも良し、みんなで一部屋に溜まってゲームするもよし、とにかく楽しいです。
毎日がお泊まり会みたいな感じです。
高専のその後
就職について
就職は、高専生にとって1番ベターな進路だと思います
企業側からの募集もあり就職率はものすごく高いです。
5年生まで上がれていれば、ほぼ全員無事に就職出来ます。
5年生まで上がれていれば......
なお、就職に成績はあまり関係ありませんので、あまり成績が振るわなかった学生でも優良企業に就職できたりします。
要は人が良ければ大丈夫って話です。
進学について
高校生は3年間高等教育を受けた後、就職、あるいは進学をすると思います。
大学進学の際はセンター試験を受けて、そして二次試験を受ける、という形になると思います。
高専生は基本的に1年生から就職を意識して動くので、高専3年生でセンターを受けて普通の受験は出来るっちゃあできるのですが、塾に通うなりしていないと難しいと思います。
というのも、先程言った通り高校3年生までの勉強は2年まででサラッと終わらせられるので、学校としての授業だけではしっかりと演習が積めないのです。
しかし、別の方法で進学する方法があります。
それが、3年次編入という手です。
これは僕はかなりオススメです。
大学に入るためにはセンター試験を受け、そして二次試験を受けて......と、手順を踏んで狭き門をくぐる必要がありますが、高専からの編入はそんなことはありません。
大学の編入試験を受けて、その試験に見事合格すれば大学に3年生から編入できます。
東大、京大等はどうやら単位数の関係で2年次編入になるみたいです。
編入の良いところは、なんと言っても国立大学の編入試験を、試験日が被ってなければいくらでも受けることができるという点です。
これは高専からの編入における最大のメリットであると思います。
高専の教育そのものが就職寄りの教育であるため、周りに同じような志の人がいなくともしっかりと勉強できる人であれば進学を目標に高専に入学しても良いかもしれません。
専攻科
大学から大学院に行けるように、高専も専攻科という場所があります。
こちらについては身近に専攻科の人間がいないため、あまり詳しい事情は話せませんが了承ください。
5年間を通して培ってきた学習内容をさらに高める、というのが専攻科と思って頂いて結構だと思います。
ちなみにここで勉強すれば学士を得ることができ、大学院編入もできます。
大学に比べ、学士を得るまでの学費も半分くらいなので、行って損はしないです。
最後に
まず、高専を知らなかった人。
高専というものがどんな所か、大体は想像出来たでしょうか?
寮生活は楽しいので、親元を離れる練習をしたい人などはいいかもしれません。
次に、進路のひとつとして高専を視野に入れている人。
数学が苦手な人はやめた方がいいかと思います。
僕はロボットを作ったり工作したりするのが好きで小学生の頃から高専を目指していました。
ところが、数学が苦手で入試の過去問等にボコボコにされました。国数英社理のうち数学、英語が苦手な僕でしたが、なんとか合格点まで努力して上げて無事に入学出来ました。
しかし、高専の数学の授業の進み方は速さが1.5倍な上に1週間に数学が2科目あったりしてとても大変でした。
高専の周りの地元に住んでいる通学生の子達は、家が近くにあったからなど結構適当な理由で入ってる数学の得意な子ばかりなので、わりとセンスで数学が分かったりしちゃいます。
元々数学が苦手な僕はついていけなくなり、公式を暗記する作業のみを勉強としてしまい、理解をしませんでした。
やはり、こういう付け焼き刃の勉強をするとガタがきます。
3年生の後期、ついに単位を2単位ほど落としてしまいます。
専門科目の全てにおいて数学が必要だからです。
今では落とした単位数が進級の規定を満たしていないので、再試に合格しなければ留年するレベルです。
数学が苦手な人に高専に入るなとは言いませんが、苦手だとこうなるかもしれないっていう例として書いておきます。
好きなことと得意なことは、必ずしもイコールとはならないということを覚えておいて欲しいです。
高専入学される方へ。
おめでとうございます。
怖い言い方をしたり脅すような言い方になっている所が多々あり、これからの学生生活が不安になってしまっている方もいると思います。
ですが、大丈夫です。
受験に合格したその自信をしっかりと持ち続けて先を見据えていれば自ずと道は開けてきます。
自分を見失わなければどうとでもなることを忘れずに。
以上で高専についての話を終わります。
誤字、脱字、質問等ありましたらTwitterの方によろしくお願いします。